ぜんぶ、すてれば 中野善壽

何も、必要ありません。

ぜんぶ、捨てればいいんですよ。

本書は現代を前向きに、楽しみながら生きる

ためのヒントが短い文章にまとめられています。

とても読みやすく、あっという間に完読して

しまいました。

 

家や車、時計、お酒やタバコも嗜まない。

お金も若いころから生活に必要な分を除いて

すべて寄付している。

 

ものを所有することは安定を生まない。

むしろ不安が増えるだけ。

 

世の中に安定というものは存在しない。

そんな世の中で必要になるのは、

安定を求める心ではなく、変化に対応する力。

 

前例は未来を縛るもの。激動する現代において、

前例は役に立たない。いつまでも新しいアイディア

を捻り出せる人間でいたいから思い出も捨てます。

 

何も持たないからこそ、過去に縛られず、

未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。

 

今日がすべて、今に集中する。

人ができることは、これに尽きると思います。

今日の自分を妨げるものは全部捨てる。

 

まだ早過ぎる、準備が出来てないから…

準備万端の日は一生やって来ない

と思ったほうが良い。

 

明日死ぬかもせれないから、今日出来ることは、

今日のうちにやる。思いついた順になんでもやる。

 

■仕事について。

自分はなんのために働くのか。

答えは一つ。自分のため。

会社というのは人間が仕事を楽しくするため

の手段であり、ただの箱でしかない。

働く主は、あくまで自分である。

 

どうしても気持ちが向かないのに

あれもこれもやらなければと抱えすぎて

はいけない。自分で全部やろうとせず、

できそうにないことは、より優秀な人たちに

やってもらう。できないものは、できない。

諦めて次に進めばいい。

 

自分をちゃんと保つため、毎日を楽しむために

仕事は死ぬまで続けたい。年金はご褒美程度の

オマケくらいに思ったほうがよい。

公園の清掃を元気な高齢者が買って出ることで、

その仕事をしていた若い人が他の仕事を始める

ことができることもあるでしょう。

 

意思決定をするリーダーは、いつでもアンテナを

張っていないといけない。思いつきの相談を

いつでも受けられる余裕を持ってないといけない。

 

アイディアのひらめきは、ぼんやりと考える時間

に生まれる場合が多い。予定を捨てて、

何もしない時間を作ることが大切です。

 

■直感と判断。

何を捨てて、何を残すのか。

その選択は好きか、嫌いかで判断するしかない。

好き嫌いを身につける練習は、幼い頃に習った

生け花の稽古だったようです。

 

どの花が好きで、どの長さにするか、

どの角度で挿すか、組み合わせをどうするか、

無限のパターンからどう生けるかを決めるレッスン

は大人になってからの直感を信じる決断力の基礎に

なったと感じているようです。

 

■感じたこと。

身軽に動けないのは、いろんなものを所持している

からなんですね。本書の中で書かれている中野さんは、

ものすごくフットワークが軽い。尋常ではないです。

とても同じようマネは私には出来ないと思う。

しかし、良いと感じること、楽しそうと感じること、

その感性を大切にして、今日一日を生きてみようと

思うようになりました。