マーケティングとは「組織革命」である。 森岡 毅
本書は2つの主題で構成されています。
①組織づくりの本質
②マーケティングの本質(提案を通すスキル)
著者は理想の会社組織を「人体」で表現しています。五
感から得た情報は、すぐさま脳で判断され、身体に指令
を出し、瞬時に反応できる。まさに理想形の組織である。
ダメな組織は、組織コミュニケーションがボトルネック
になっており、その情報伝達手段が阻害されている。仕
組みがダメなので優秀な人材に入れ替えても意味がない。
阻害原因を特定し、社内コミュニケーションを活発化さ
せることが重要です。
上下関係、年齢差、役割差、性別差による行動の縛りが
コミュニケーションを阻害していることが多い。対等で
あるべきだが、本当のこと言いづらい、自由闊達に議論
できる関係を築けていない。本当は会社の外に対してエ
ネルギーを使うべきなのに、なぜか組織内部で争う、ま
たは争わないために調整や交渉してエネルギーを使って
しまう。
人は皆、楽したい、思い通りにしたい、現状維持したい
といった、居心地の良い状態を求める自己保存の本能が
ある。しかし会社が目指す方向は自己保存の反対側にあ
る。組織マネジメントはここを放置しないこと。
会社と社員の方向性を合わせるには、自己保存の法則を
利用したマネジメントをする。会社の方向に合わせれば
利益を得られるようにすること。
腕は確かで誠実なのに商売の要領が悪い。戦略思考の弱
さ、マーケティングの取組みの遅れなど、大半の日本企
業が当てはまることかもしれません。「作りたいモノを
作る」のではなく、「売れるモノを作る」。売り手の都
合で買わせようと考えても、結局は顧客の求める価値と
合致しなければ買ってもらえない。
消費者が何を求めているか。相手の視点で考え、相手へ
メリットを提供すること。それを追求するのがマーケテ
ィングだと感じました。 マーケティングの真髄は「顧
客視点(消費者視点)で考えること」なのが良くわかり
ました。
「消費者はわかってくれない!」と買い手を非難する。
「上司はわかってくれない!」と嘆いてしまう。
これは相手のメリットではなく、自分の都合が中心にな
った発想が原因になっているのではないか。
私は管理職として経験が浅いです。本書を読んで、相手の
メリットを考えるマーケティング思考と、人間の本能であ
る自己保存の法則を理解していないと、良い組織は作れな
いなと感じました。
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