感謝脳 樺沢紫苑 × 田代政貴
病気になって寝込んでいる時や、頭を抱えるような
問題が発生した時は、当たり前の日常がどれだけ幸
せかを痛感します。
しかし忙しい日常生活に戻ってしまうと、「健康で
仕事が出来て、とても幸せだ」と感じることが難し
くなります。当たり前の日常を、心の底からありが
たく感じ取れるようになれば、毎日を幸せに過ごせ
るのではないかと考えていました。
本書によると、人は放っておくと幸せの基準がどん
どん高くなり、それが当たり前になるのだそうです。
どこまで行っても自分の幸せは一歩先にあるように
思えてしまい、追いつくことができなのだそうです。
これか。いつも感じているのはこの感覚だ。一歩先
が幸せだと感じているんだ。いま無いものを幸せだ
と思っているのだ。
無いものを嘆くより、今あるものに感謝すること。
「足るを知る」という言葉があります。
「あるを知る」とも言い換えられます。
「当たり前」の反対の言葉は「ありがとう」なのだ
そうです。ありがとうの語源は「有難し」です。
「有難し」とは「あるのが難しく、めったにない」
という意味です。
いま生活している環境は「あるのが難しく、めった
にない」ことだと認識すること。それができれば日
常で「ありがとう」と感謝する気持ちが多くなるの
かもしれません。
仕事仲間、友人、家族に「ありがとう」の気持ちを
伝えること。感謝の効果は、感謝された人が暖かい
気持ちになる。そして感謝した人も良い気持ちにな
ることです。
未来は、今、このとき、一瞬一瞬の延長です。今を
感謝で生きることができれば幸せなのです。日常を
当たり前と思っていては、幸せを感じられないのだ
そうです。
感謝のいくつかのステージがあります。①から順番
にレベルが上がります。①はできることが多いと思
います。先ずは②ができるようになりたい。③はど
んな状況になっても感謝しかない状態です。
①してくれてありがとう。親切への感謝
②当たり前のことにありがとう。日常への感謝
③何が起きてもありがとう。逆境への感謝
日常の有難さやを自然に感じられる状態、どんなピ
ンチに直面しても感謝できる「何が起きてもありが
とう」の状態を、本書では「感謝脳」と名付けてい
ます。
簡単ではないが私は「何が起きてもありがとう」と
言える「感謝脳」を目指したいと思いました。
感謝脳になるための実践ワークがいくつか紹介され
ており、その中から3つをピックアップしました。
①万物感謝ワーク
今あるものがなくなったら・・・と考えてみる。い
つも自分の周りに存在して当たり前のもの。それは
家の中のあらゆる物、もしくは同僚、友人、家族か
もしれない。
ない状態をイメージすると「ある」ことに対する感
謝が湧きあがり、その存在価値を改めて認識できる
ようになります。本書には7つの対象がありました
が、私はまず次の3つに絞って日々感謝ワークをし
てみたい。
・身の回りの物に「ありがとう」を伝える。
・自然界に「ありがとう」を伝える。
・家族、仲間、恩人に「ありがとう」を伝える。
②感謝とポジティブな感情のまま眠りにつく。
今日あった感謝の出来事を3つ思い出しながら眠り
につく。ポジティブな気持ちのまま眠れば、ポジテ
ィブな体験が記憶として定着します。自己肯定感が
高く、前向きな性格に変わっていくようです。
③感謝の気持ちで神社参拝をする。
忙しい日々を過ごしていると、感謝の気持ちを忘れ
やすくなります。神社は感謝の練習場という考えも
あるようです。いつもは願いごとだけをしていた私
です。今度からは神頼みではなく「いつもありがと
うございます」と感謝の気持ちで手を合わせたいと
思います。
忙しい毎日に流されてしまい、今の自分に対する価
値、今いる環境に対しての価値、それぞれが見えづ
らくなっている方は多いのではないでしょうか。そ
んな方に本書を読んでいただきたいと思いました。
毎日を「感謝の気持ちをもって過ごす」ことができ
れば、見える世界が変わってくるのではないでしょ
うか。
|