できる課長は「これ」をやらない! 安藤広大
組織に発生する、誤解や錯覚の発生要因のほとんどは、
リーダーの言動にあるようです。よかれと思って行っ
ているリーダーの言動によって、組織に誤解や錯覚が
発生してしまうのです。どのような言動が、実はマイ
ナスになり、どのような言動がプラスになるのでしょ
うか。
私が管理職になったころの言動は・・・
私は管理職になったころ、部下への業務の依頼は、
「〇〇さん、この業務を担当していただけますでしょ
うか」とお伺いをたてていました。言わばお願いをす
る形です。命令する形だと、やらされ感を与えてしま
うのではと配慮したつもりでした。
本書によると「お願い」や「やってもらう」といった
発言をしてしまうと、実行するかどうかの選択権が部
下に移ってしまうのだそうです。
上司から部下へ行うことは「お願い」や「やってもら
う」ではなく「指示」なのです。なぜならば、上司は
責任がある立場だからです。現場を回すために、課長
自身が責任をもって業務を采配しなければならいので
すね。
まずは課長の立場を正しく理解すること。
自分の立場を正しく理解できて、初めてそこからの行
動を正しく実行できると認識すること。課長はチーム
を率いて上司に求められることを達成する立場です。
部下から嫌われることかもしれないことでも、チーム
や部下の未来の勝利や成長に責任を持ち、決断を繰り
返していかなければならない立場なのです。
課長の仕事は部下を管理すること。
管理職である課長は、チームの責任者としてチームを
勝利に導くために、ルールや目標の設定してそれに対
する評価をすること。ルールや目標は、部下からどう
思われようが気にせず、部下やチームの未来のために
必要であると思うことを設定すること。
部下を無駄に褒めないこと。部下が認識する当たり前
の基準が下がるからです。部下の未来の成長を考え、
上司の認識する当たり前の基準を大きく上回った時に
だけ褒めるようにする。
課長が部下に与えるべきこと
できる課長が部下に与えるべきことは、部下が感じる
今の利益ではなく、未来の部下にとっての利益です。
未来の利益とは成長のことです。
チームを率いて上司に求められることを達成し、結果
的に「部下の成長やチームが勝つことにより、部下へ
の分配が増える」という利益を未来に獲得できる状態
をつくることが課長の役割なのですね。
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