一九八四年 ジョージ・オーウェル
『1984年』は世界的なベストセラーですが「実は最後
まで読まれていない本の代表格」として語られることが
あります。最も売れていて、最も読まれていない本の一
つようです。
恐らく内容が重く、読み進めずらいのかもしれません。
1949年に発表されたディストピア文学の代表作です。
全体としては「監視社会」「全体主義」「言葉と思考の
支配」をテーマにしており、現代でも頻繁に引用や議論
がされているようです。
この小説の文章表現はとても上手くて、情景がありあり
と伝わってくるようでした。作者の表現だと思うのです
が、翻訳された方の技術もすごいのかな?と勝手に理解
しております。内容は現代にも通じるリアルで怖いスト
ーリーで、フィクションとは思えませんでした。
少しだけあらすじを紹介
この話に出てくる国の党は「言葉を制限することで思考
そのものを支配する」といった究極の手段で国民を支配
していきます。人間は言葉を使って物事を考えるため、
言葉自体を少なくすれば思考の幅が狭くなり、反抗や批
判を不可能できるといった考えです。
主人公は党のやり方に心の中で反抗していました。どん
なに支配され拷問を受けても、心の奥までは支配できな
い。そこだけは自由との考えがありました。私も同感で
はありましたが・・・
読了後の感想
私の中で断トツに強烈に印象に残る小説でした。普段は
軽めの小説も良いですが、本書のような骨のある小説を
読むのも、たまには良いなと感じました。
日本でこの小説のような事が起こる可能性は低いと思い
ますが、どこかの閉鎖的な国では似たようなことが起き
ているかもしれません。現代の場合は情報を発信する側
の(テレビ、インターネット、SNS等)意図で簡単に内容
操作することは可能だと思います。その情報をそのまま
信じて騙されてしまう私たちは、ある意味思考を支配さ
れているのかもしれません。とても怖いことだと感じま
した。
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