ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか ケン・ブランチャード
あなたのビジョンとは?チームのビジョンは?と聞かれ
てすぐ回答できる人は少ないのではないでしょうか。本
書によると、ほとんどの組織のマネジャーがめざすべき
明確なビジョンを描けずにいることが多いようです。
私は管理職でありチームリーダーでもありますが、ビジ
ョンとは何かをよく理解していませんでした。みんなが
バラバラな方向を向いて仕事をするのではなく、共通の
目的を持つ、まとまりのあるチームにしたいと考えてい
ます。そのような思いで本書を読んでみました。
■ストーリー■
ある企業の社長と従業員が、ちょっとしたキッカケから
ビジョンについて語り合い、将来のあるべき姿を見つけ
出していくストーリーになっています。
社長の話によると今は大きな企業になったが、創業当時
は会社の規模が小さく従業員も少なかったようです。そ
のため従業員ひとりひとりが自分で判断する権限を与え
られていたようです。
全員が会社という船に乗り込んだ仲間同士という自覚を
持っており、共通のビジョンがあり、目指すべき目標と
方向性がはっきりしていたのだそうです。ビジョンが生
み出すパワーににより「全速前進!」で進んでいたと社
長は語っていました。
会社という船に乗り込んだ仲間同士が助け合い・・・
私はマンガのONE PIECEのようだなと思いました。
■ビジョンとは■
ひとつの組織が「全速前進!」の状態に達するには、メ
ンバーたちの希望や夢と共鳴する「説得力のあるビジョ
ン」を生み出す方法を、リーダーたちが心得ていなけれ
ばならない。
ビジョンとは「自分は何者で、何を目指し、何を基準に
して進んでいくのかを理解すること」です。
ビジョンは三つの要素でできています。
①自分は何者か?
それを考えることで「目的」が明確になる。
②何を目指すか?
それを考えれば「未来のイメージ」が描ける。
③何を基準にするか?
それを考えれば「価値観」の問題がわかる。
■ビジョンを作ってみた■
ビジョンについて、私自身がしっくりきてない。イマイ
チ理解ができていないので、私の仕事でビジョンを考え
てみました。
① 自分は何者で、その目的は。
私は半導体装置の開発と製造を行うセクションで働いて
います。我々が製造する装置でお客様の生産現場のモノ
づくりを支えることが目的です。
② 何を目指し、どんな未来をイメージしているか。
メンバーが共通のビジョンの実現をめざすという信頼感
を生み出すこと。お客様の要求に応えるために、知識と
能力を磨き、新しい技術を常に開発し続けること。不具
合が発生しない装置をを作ること。
③ 何を基準に、どんな価値観であるか。
問題が発生した場合は自分たちのエゴではなく、あくま
でお客様中心に考えて解決していくこと。お客様に安心
を与え信頼関係を築いていくこと。お客様が私たちの最
高のセールスマンになってもらえるような仕事をするこ
と。
本書で学んでから考えてみたので、それなりのビジョン
ができたかな?? 考えたビジョンが良いものであるか
を確認できるチェックリストが105ページにあります。
「そのビジョンは必要な要素を満たしているか」「説得
力はあるか」を確認することができます。
■ビジョンを浸透させる■
ビジョン自体が良いものであっても、リーダーだけで決
めたビジョンはメンバーに浸透しずらいかもしれません。
どうすればそのビジョンがみなの共感をかちとり、現実
に生かされ、日々の営みを導く羅針盤となるか。どうす
れば同じ船に乗ってもらうことができるか。
まずはビジョンについての考えをメンバーへ伝える。次
にリーダーが考えたビジョンをたたき台として、メンバ
ー各自がビジョンについて意見を出し合っていくように
する。メンバーの意見を取り入れてビジョンを練り上げ
ていく。そうして作られたビジョンは自分事となるため
みなの明確な目標となるのだそうです。
■ビジョンを現実にする■
未来に向けての明確なビジョンを掲げるだけでは現実は
変わらない。どのようにして現実に落とし込むか。まず
は現実を率直に理解すること、自分の置かれた現状を正
直に見つめること。
そこにはビジョンとかけ離れた現実があるかもしれない。
障害があり計画の軌道修正が必要になるかもしれない。
しかしビジョンを忘れずに現実に立ち向かうことができ
れば、自分にとって大切な価値観をはっきりさせれば、
やるべき事は見えてきます。計画の変更が必要になるか
もしれませんが、ものごとに変更はつきものです。ビジ
ョンから目を離さなければ、積極的に計画を修正してよ
いのだそうです。
■まとめ
大切だと思うけれど「ビジョン」は理解しずらいと感じ
ている方が多いのではないでしょうか。しかし明確なビ
ジョンがないと、目先の事柄にとらわれてフォーカスを
見失い、膨大なエネルギーを無駄にしかねないことがよ
く理解できました。
目指す方向性を見失わないように、「チームのビジョン」
や「自分の人生のビジョン」を作ってみてはいかがでしょ
うか。
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